30年以上前の1968年、何トンものコンピュータが一部屋を占拠していた時に、「アラン・ケイ」は、その頃誰も考えなかった携帯型ノートパソコン「ダイナブック」構想を提唱した。これからの情報化社会がどうなるかを予測する事ができる人はそういないと思うと、彼の予測は、耳を傾けざるをえない。もっとも、かれは「未来は予測するものではなく、つくるものだ。」とも言っているのですが。それを実現するのに30年を要したわけだ。
1997年5月13日(火)、来日したケイ氏の講演をその時私は聞いていた。彼は言った。「ダイヤモンドを埋め込まれた印刷書物が世に出てから、現在のように誰でも手に取る事ができるようになるまでにどれだけの時間がかかったろう。マルチメディア革命は未だ起きていない。これにはあと50年が必要だ。」と。そして付け加えられた彼の予測は、
「とりあえずこれから起こる革命は、ひとり1台の無線端末とひとり1本の通信帯域だ。」
それを聞きながら、私が思い浮かべたのは、無線機を肩から下げ町を歩く人々、あるいは自宅でパソコンにつながれた無線機を操作する人の姿だった。「そんな風になるかよ?」と疑問に思ったものだった。今なら、携帯電話を耳にあてながら、いや液晶画面を見ながら歩く若者の姿を簡単に思い浮かべられるかもしれない。ところがその時には、ケイ氏が言っていることがこのことだと類推できなかったのは本当のことなのだ。その年の秋、私はPHSを購入した。それでもまだ、彼が言っていたことがこのことだとは気づいていなかった。ノートパソコンにつないでインターネットはできたが、それはやはり”電話”だった。
最近、「携帯電話、あるいはPHSの契約数が有線電話を追い越した」との報道があった。携帯電話は、パソコンが無くてもマルチメディアの端末となってきた。i-modeの登場に「彼が言っていたことはこのことだったのか。」と鈍感な私はやっと気づいたのだった。
それはともかく、その秋購入した NTT personalのPHS PALDIO314Sは、その後、611Sという機種に変更をしたため、登録番号は抜かれ、液晶画面には、"EMPTY"の文字が出るだけの抜け殻になってしまった。それでも「コードレス電話機の子機として使えることもあります。」との聞きかじった話もあり、壊れていないのに捨てるのももったいなく、とっておいた。
この春、我が家では、3人の子ども達が、全て小学校通学、幼稚園入園となり、二階の一部屋ですべてすませていた家族の生活から、私は一階の別室に追い出されることとなった。そうなると問題は電話の配線である。ISDNのダイヤルアップルータにはアナログの有線ホームテレホンもつながっており、配線を考えると煩雑なことこの上ない。「よし、これをきっかけに電話だけでもコードレス化しよう。」と購入したのが、これだ。
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Panasonic PHSコードレス電話
茶の間と、私の部屋、そして2階にと3台の電話が必要なため、これに付属の子機をもう1台注文した。2台子機付属モデルもあったが、この子機1台モデルが、馬鹿安の特価であったことから、これに1台追加した方が安かった。
説明書を読むと、PHSを子機として登録できるが、そのPHSのIDコード登録をそのPHSの販売店で行う必要があるとのこと。
ところが、この付属子機のボタンを見ると、どうしてもPHSのそれとそっくりなのである。 |
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それで、付属子機を追加する時の操作をそっくり、このEMPTYで抜け殻になったPHSでやってみた。...と、子機として登録できてしまったではないですか。
1.親機を説明書に従い、子機登録待ち受け状態にします。
以下の314S子機の操作を5分以内に行います。
2.内線/保留ボタンを押したまま、電源ボタンを押します。SOモードになります。
3.再ダイヤルボタン(検索ボタン)を押します。コウモク センタクになります。
4.1ボタンを押します。HS 1になります。
5.親機で待機中の内線番号(2桁)を入力します。
6.親機で設定した任意の暗証番号(2桁)を入力します。
7.内線/保留ボタンを押します。数秒後、登録が実行されます。
8.通話ボタンを押します。
こうして、314Sは、電話帳、他の設定メニューも復活しました。もちろん、PHSとしては使えませんが、子機としてはほとんどの機能を使えます。驚きました。逆を言えば、コードレス電話の付属子機は、PHSそのものなんですね。 |
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第2のものは試しで、現在使用中の611Sでも同様の操作をしました。すると、全く同じように設定が完了しました。
家にいるときは、内線の子機として働き、内線呼び出し、内線通話、転送、トランシーバもできます。PHSの通話料金は、かかりません。もちろんモードを切り替えることで、PHSとしても使えます。家から出ると、自動的に普通のPHSとして働きます。
611Sの説明書を読むと、「こんなこともできます。あんなこともできます。」とあるのですが、どうすればできるのか、ずっとわからずにいたのが一気にすっきりしました。
私の必要な電話帳はこれ1台で、すべてまかなえるし、パソコンの住所録と同期できる。親機への転送ができないのが残念。 |
最後に
・H"の誘惑があるのですが、どうしたものか迷い始めてしまいました。
・これで、子機が4台となってしまうわけですが、昨日注文した追加子機1台は、キャンセルしてもよいかな。
・EMPTYなパルディオの方、不要であればお引き取りします。(そんなに子機を持ってどうするんだ!)...あるいは、同じようにご活用ください。
・ここに書いたことって、今までは、PHSの業者以外には秘密の裏技かもしれません。でも、子機追加の説明書通りやったらできてしまったわけで、問題ないですよね。
・PHSコードレスは、コードレス電話としては高値です。緊急、特価(?)だった事もあり、十分比較しませんでしたが、「PHSコードレス」という条件で他メーカーもあたれば、さらに安価で良い物があるかもしれません。Panaのものでは、「東京電話」を考えると、
http://www.elint.co.jp/pana/item/VE-PV3T.html これも良いと思います。子機ってばか高いな!いらなくなったPHSで十分ってのが納得いただけるでしょう?
http://www.docomo-kansai.co.jp/text/mobile/products/option/903U-II/index.html ホームステーションが安く入手できれば、従来の電話機はいらないかもしれない。これも発想の転換ですね。
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